股関節は犬だけでなく、足があるほ乳類にはすべからく存在するものです。
もちろん人間にも股関節が存在します。
人間は二足歩行のため、股関節やその周辺の筋肉が非常に発達していますが、犬でも、例えば曲芸などで後ろ足を使ってかなり長時間歩くことができるものもいますね。
さらに、現代の人間は日常生活の中で跳躍するという機会はほどんどなくなっていまいましたが、犬の場合は、ものすごい勢いで走り回り、時として、後ろ足で力強く地面を蹴って飛びます。
フリスビー犬など、普段の自分の頭の位置よりも高くジャンプすることもありますので、四本足での歩行とはいっても、股関節の重要性は人間とさほど変わらないといえるでしょう。
犬と散歩していたら、突然、痛がるように鳴き出してうずくまってしまった、といったことで動物病院を訪れる人も多いようです。
老犬であれば、骨がもろくなっているために、何気ない散歩で骨折、ということも考えられなくはありません。
しかし、若い犬がこのような症状を訴えた場合、股関節脱臼の可能性も高いようです。
脱臼というと、強く引っ張られたり、何かがぶつかったりといった衝撃で起こると思っている人も多いと思います。
しかし、股関節については先天的に脱臼を起こしやすい形状の犬もおり、ちょっとしたきっかけで関節が外れてしまうということもあるようです。
股関節を脱臼しやすい犬に見られるのが、股関節形成不全です。
簡単に説明すると、骨盤の形がやや不良のため、大腿骨を支える力が弱く、ちょっとした力で関節が外れやすくなる症状です。
遺伝性が見られるため、母親が股関節形成不全だと、子犬もその可能性が高くなります。
早めに気づけば、体重のコントロールでなんとか不便を感じずに暮らすこともできるでしょうが、大型犬の場合、後ろ足にかかる負担が大きいため手術が必要になることもあります。
いずれにしても、早期発見が早期治療の鍵になりますので、おかしな歩き方やおすわりの様子が見えたら、念のために動物病院で検査するのがよいでしょう。